バラには現在7000種類以上の花がありますが、
バラから取り出される「ローズオイル」や「ローズウォーター」の原料となるバラの品種には
ダマスク、センチフォリア、アルバ、ガリカなどがあります。
そのうちもっとも香りがよいといわれるのがダマスクローズです。
その万人に愛される香りは、香水などにも広く使用されています。
ダマスクローズはブルガリア以外でも、
トルコ、モロッコ、イランまたインドなどでも盛んに栽培されていますが、
特にブルガリアのバラの谷で生産されるものが一番であるとされています。
それにはもちろん、ちゃんとした理由があります。
エッセンシャルオイルなどに用いられるバラは、主に「オールドローズ」と呼ばれる原種に近い品種のバラで、ダマスクローズももちろんこの「オールドローズ」にあたります。
香りを集めるためのバラ栽培に適した条件には、
次のようなものがあります。
ブルガリアのバラの谷「カザンラク」。
ブルガリア国土のほぼ中央を東西に走るバルカン山脈と、スレドナゴラ山脈に挟まれた東西100キロメートルの一帯は「バラの谷」と呼ばれ、バラの産地として世界的に有名な地域です。330年以上もの間バラが育てられてきました。
広大な谷の各地にバラ畑が点在し、大きな蒸留工場や農家の蒸留施設がたくさん見られます。
その中心となっているのがスタラ・ザゴラ州のカザンラクという町で、それは「蒸留釜のあるところ」を表しています。その名の通り、何世紀にもわたりバラを栽培し、ローズオイルやローズウォーターを生産してきました。
ブルガリアのバラ栽培は、1593年にオスマントルコの支配者(スルタン)が、トルコ人の裁判官に宮殿を飾るバラの栽培を命じたのが始まりですが、この裁判官の庭があった場所がバラの谷にある現在のカザンラクでした。
1903年より毎年6月の第1週にはバラ祭りが開催され、フォークダンスや歌を歌ってバラの収穫をお祝いします。
以上の条件を踏まえて、ブルガリアのバラの谷の土壌と気候は
ダマスクローズはブルガリア以外…トルコ、モロッコ、イラン、またインドなどでも盛んに栽培され、それらの地域で作られたエッセンシャルオイルやローズウォーターも沢山出回っています。
しかし、高温になる地方のバラは、強い紫外線から身を守るために天然のワックスを分泌し、花びらを覆って身を守っています。このワックスにはあまり香り成分が含まれていないため、花が身を守るためにワックスを厚くすればするほど、全体としての香り成分が減ってしまいます。そして、香りの成分とともに取り出されるワックスの量が多くなります。
日照時間が少ないブルガリアのダマスクローズは紫外線から身を守る必要がそれほどないため、結果として香り成分を多く含むことができ、ワックスの少ない、より純粋な香り成分を取り出すことができるという利点があります。
このように、ブルガリアのバラの谷はローズウォーターを生産するための最適な条件を備えた土地なのです。
当店のダマスクローズウォーターは
ブルガリア政府指定のバラ・アロマ・医療植物専門の研究所(ローズオットーにおいて世界の最高峰)で
検査を受け、その品質をブルガリア政府から認証されています。
更に日本に到着してからも、薬剤師の厳しい目でチェックをしています。
人体に有害なものが含まれていないかを含め、成分の内容や不純物・混入物をチェックし、
精油の含量(香りの高さに関係しています)、
残留農薬の有無(オーガニックかどうか)を確認しています。
ブルガリアの国立研究所で検査を受けたローズウォーターは60リットルのタンクではるばるブルガリアから空輸されてきます。その摘みたて、蒸留したてのローズウォーターを、薬剤師がひとつひとつボトルに詰めてお届けしているのです。